C, N, O K吸収端XAS測定により、異なるモル比率のピリジン水溶液(C5H5N)x(H2O)1−xの分子間相互作用を調べた。ピリジンが豊富な領域(x > 0.7)では、π*ピークは純ピリジン(x = 1.0)と大きく変わらず、液体ピリジンの構造を保っていることが分かる。一方、水が豊富な領域(0.7 > x)では、水のモル比率が増えるほど、Nピークが高エネルギーシフトするのに対して、ピリジン環のメタとパラサイトに由来するCピークが低エネルギーシフトすることが分かった。この濃度領域では、水分子同士の水素結合が大部分であるが、量子化学に基づく内殻励起計算の結果、希薄な水溶液においても、水の水素結合の中に、小さなピリジンクラスターが形成することが明らかになった。
