2液混合においてマクロには均一に見えるが、ミクロでは不均一である状態を、微小不均一性と呼び、溶液中の様々な化学現象に影響を与える。微小不均一性を示すアセトニトリル水溶液において、C, N K吸収端XAS測定によりアセトニトリルの、O K吸収端により水の分子間相互作用を調べた。C K吸収端XASスペクトルから、3つの特徴的な濃度領域を見出すと共に、相転移のような挙動を発見した。内殻励起計算を行ったところ、アセトニトリルと水の間の双極子相互作用が微小不均一性の発現に重要な役割を果たすと共に、双極子相互作用が水素結合よりも優勢である間、微小不均一性が持続することを明らかにした。
