異なる濃度のジメチルスルホキシド(DMSO)水溶液の水素結合ネットワークをO K吸収端XAS測定から調べた。水のドナーサイトはDMSOのS=O π*ピークから、水のアクセプターサイトは水の4a1ピークから、それぞれ調べた。分子動力学計算と内殻励起計算から、DMSO水溶液中の水素結合ネットワークの変化は、DMSOのS=O基と水のドナーサイトとの水素結合だけでなく、DMSOの硫黄原子と水のアクセプターサイトの間の双極子相互作用により、水の水素結合が壊されることも影響することが分かった。DMSO水溶液中の水素結合ネットワークには4つの濃度領域があり、それらがDMSO水溶液の特異な性質や、化学反応や生化学反応における溶媒効果に関係することが分かった。
