アセトニトリル水溶液のO K吸収端XASスペクトルは、537 eV付近にシャープなピークを示して、これは液体水では見られず、水蒸気のようなピークとなる。分子動力学計算で得られた分子配置を基にして、アセトニトリル水溶液中の孤立水と異なるサイズの水クラスターの内殻励起スペクトルを求めた。その結果、O K吸収端XASで得られたシャープなピークは、水クラスターではなく、アセトニトリル中の孤立水に由来することが分かった。O K吸収端XAS測定により、水クラスターと分離して、孤立水の電子状態解析が行えることが明らかになった。
