固体と液体状態のリン酸の二重結合性を、O K吸収端XASスペクトルのP=O π*ピークから調べた。固体ではNaH2PO4が小さいP=O π*ピークを示すのに対して、Na3PO4では大きなP=O π*ピークを示す。ここから、リン酸の負電荷が大きくなるほど、その二重結合性が大きくなることが分かった。一方、Na3PO4水溶液では、リン酸へのNa+イオンや溶媒水の配位により、リン酸の二重結合性が減少することが分かった。以上のように、リン酸の二重結合性は化学環境により変化するので、様々な生化学反応のメカニズムに影響を与えると考えられる。
